風力発電は風の力による発電を実現するためのものです。
自然界に存在しているものを動力として電力が生み出せる点、クリーンな発電手段である点が評価されています。
写真や映像等で発電機の様子を見たことがある人は多いはずですが、詳細な特徴までは知っていない人もいるでしょう。
日本のエネルギー事情に大きな影響をもたらす可能性がある発電方法として注目を集めているものなので、詳しい内容を知っておくことがおすすめです。
理解を深めたいのであれば、基本的な特徴と日本における導入状況を確認しておきましょう。
風力発電のメカニズム
先述した通り、風力発電は風力を使うことで電気を創り出します。
発電機を見たことがある人は、羽根の部分が回っている様子も見たことがあるはずです。
風が吹いた時にブレードという羽根がクルクル回ると、回転エネルギーが生まれます。
回転エネルギーは発電機を介することで電気に変換することが出来、こうしたメカニズムで風から電気を創り出せると知っておきましょう。
ブレードが回るだけで電力が創れるだけのエネルギーが発生するのだろうかという疑問を持つ人もいるはずですが、発電機には増速機が備えつけられています。
増速機のおかげで受けた風以上のエネルギーを生み出すことが出来、効率的に電力を創り出せると知っておくと良いです。
そして、ブレードは常に同じ方向から風を受けているわけではありません。
風向計や風速計が設置されており、その時の風の向きや強さによって風を受ける方向が柔軟に変えられています。
手動で動かすような必要はなく、計測器と設備の連動で自動的に方向を変えることが可能です。
常に同じ方向を向いていると、風力が強くても効果的にブレードが回らないこともあります。
状況に応じて方向が変わるという仕組みのおかげで、効率アップを実現することが可能です。
風力発電のメリット
風力発電を利用することには多くの魅力があります。
二酸化炭素を排出することがない方法なので、地球温暖化抑制効果を期待出来るでしょう。
温室効果ガス以外の有害なガスも排出されないため、近隣に住む人が大気汚染による被害を受けることもないです。
火力による発電では燃料が必要なので、石油や石炭を使用することになります。
石油や石炭は埋蔵量が限られており、このままのスペースで使っていると早ければ数十年後に枯渇する可能性が高いです。
風力を使えばこれらの燃料を用いずに済むため、限りある燃料の埋蔵量が減るペースを遅くすることが出来ます。
太陽光発電や地熱発電、水力発電等、再生可能エネルギーによる電力を得る方法はいくつかありますが、風力発電ならではの魅力は多いです。
まず、再生可能エネルギーを使った発電法の中では、風力によるものが効率が高いとされています。
電力への変換効率の高さから、他の方法よりも電気を生み出しやすいという特性があることを知っておくと良いです。
天候や時間の影響を受けにくいことも魅力だと言えるでしょう。
特に太陽光発電は天候と時間の影響を大きく受けます。
晴れている日でなければ十分な発電は期待出来ませんし、太陽がない夜も発電が止まってしまうでしょう。
風を用いる場合は時間に関係ないため、制約を受けづらいと言えます。
日本での導入状況は多いとは言えないのが現状
魅力の多い発電方法だと言えますが、日本での導入状況は多いとは言えないのが現状です。
10年間で導入量が約1.8倍になっていますが、他の再生可能エネルギーと比較しても設備容量は小さいと言えます。
優秀な発電方法ですが、日本は面積が少ないので大きな設備を設置することが難しいです。
風を集めるために適した場所に設置することには限りがあるため、ここから先に陸上風力発電が飛躍的に増える可能性は低いと言えます。
しかし、海洋上に設備を設ける方法が注目されてきました。
洋上であれば今後は設置数を増やせる可能性が高く、この方法による発電量のシェアを増やせる可能性があります。
洋上での発電に関しては研究開発、実証実験が進められている状態であり、すぐに実用化するとは言い切れません。
ですが、徐々に開発等が進んでおり、実験や改良が行われることも増えています。
そのため、これから先は洋上のものを含めるとシェアの割合が高くなるのではないかと予測出来るでしょう。
まとめ
海外には既に盛んに風力を活用した発電方法を取り入れている国も存在していますが、日本の場合は国土の特性上、今までは陸地への盛んな導入が困難であったと言えます。
Influxの星野敦氏などによって洋上においての設備設置の研究が進められるようになってからは、今後の導入量アップが期待出来るようになりました。
優秀な発電方法だと言えるため、風力発電のシェア向上に向けた動きを期待することが出来ます。
特徴と日本の現状を理解するだけでなく、定期的に新たな情報がないかどうか気を配っておくこともおすすめです。
日本のエネルギー問題の解決に繋がる可能性も示唆されているため、注目しておくべきだと言えるでしょう。